この動画は、2023年10月3日から6日まで開催された、ソフトバンク最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2023」で、ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長の孫 正義さんが、「AGIを中心とした新たな世界へ」と題して、特別講演をした動画です。AIの進化系であるAGIが10年後には誕生すると話されており、私たちの生活、価値観、産業構造などが大きく変わる可能性があると話されています。以下がその要約です。
孫さんは、まずChatGPTや生成AIについて触れています。これらは自然言語処理を行うAIで、質問に答えたり、文章を生成したりする能力を持っています。生成AIは、テキスト、音声、画像などを自動生成する技術で、ビジネスや教育、エンターテインメントなど様々な分野で活用されています。ChatGPTもこの生成AIの一例です。
世界と日本におけるChatGPTの活用度合いの違いにも言及しています。アメリカでは約51%の企業がChatGPTを使っているのに対し、日本ではたった7%です。このギャップは、日本がAI革命で遅れをとっている可能性を示しています。
次に、AGI、つまり汎用人工知能（アーティフィシャルジェネラルインテリジェンス）の話に移ります。これは生成AIのさらなる進化形で、あらゆる分野で人間の知能を超えるAIです。孫さんは、AGIが10年以内に実現し、人間の知能の10倍の能力を持つと予測しています。そして、20年後にはその能力が10,000倍に達する可能性があると述べています。このAGIの出現によって、教育やビジネス、医療など様々な分野で大きな変化が起こることが予想されます。
人間とAGIの差を、人間と金魚やチンパンジーの知能の差に例えて説明しています。AGIが人間の知能をはるかに超えるということです。たとえば、金魚やチンパンジーに「ABC」を教えるのは非常に難しいですが、これは彼らが人間の知能レベルには達していないことを示しています。同様に、AGIは人間の知能を大幅に超える能力を持ち、人間がAGIのすべての能力や思考過程を完全に理解することは非常に困難になるということです。これは、金魚やチンパンジーが人間の知能レベルを完全に理解するのが難しいのと同じです。
AGIの進化は、以下のような様々な分野での革新と変革をもたらす可能性があります。
産業とビジネスの変革
AGIは製造業、物流、金融、医療などの産業に大きな影響を与える可能性があります。企業はAGIを活用して効率を向上させ、新しいビジネスモデルを開発することができます。日常生活の改善
個人の生活を豊かにするためにAGIが使用される可能性があります。医療診断の精度向上、個人の健康管理、日常的なタスクの自動化などが挙げられます。社会的課題の解決
教育、環境保護、社会福祉などの分野で社会的な課題を解決するためにAGIが活用されることが期待されます。イノベーションの推進
新たな技術やアイデアが生まれ、イノベーションが加速することが予測されます。人間と機械の協働
AGIは人間の能力を補完し、より複雑な問題解決に貢献することができます。人間とAIの協働は、より効率的で創造的な作業環境を生み出すことが期待されます。最終的に、孫さんは私たちがAGIにどう対応していくべきかについて語っています。これらの技術を理解し、積極的に取り入れることが重要です。AGIは、人間の強力なパートナーになり得るため、その可能性を最大限に活用することで、より豊かで便利な社会を実現できます。また、技術の進化に伴い、適切な規制や倫理的なガイドラインを設けることも必要だと孫さんは強調しています。